前回の記事の続きで今回も就農支援の話
前回は各自治体が独自の名前で運営している農業支援について紹介しました。
今回はお国が運営している「農業次世代人材投資資金(旧青年就農給付金)」について触れたいと思います
もちろん、どちらか片方しか活用してはダメと言うものでは無いので有効だと思われる方は両方申し込めばいいと思います
農業次世代人材投資資金(旧青年就農給付金)とは
農林水産省のHPには以下のように記載されています
要は、就農目的で農業研修を行おうとしている人に研修中の費用を最大2年間援助しますよ!もし、研修後に本気で就農する気になったら就農後最大5年間は援助しますよ!と言うものになります。
就農前に活用する制度を農業次世代人材投資資金(準備型)
就農後に活用する制度を農業次世代人材投資資金(経営開始型)
といいます。
準備型から始めてその気になったら経営開始型を続けて申し込む訳ですね
先に言ってしまうと、給付金は両方とも最大150万円/年(夫婦で申し込む場合、合わせて225万円)
MAXで150万円×7年間=1050万円(夫婦の場合1575万円)が支給されます。太っ腹すぎます・・・
ただ、個人的にはこの最大金額を貰うと言うのはいかがなものかなと思っています(後述します)
農業次世代人材投資資金交付要件
農業次世代人材投資資は元々青年就農給付金と言う名前でした。青年と付くくらいなので年齢制限があります。原則45歳未満です。
就農を目指している事を目的にしている人は申し込めます。研修や就農先が自営でも雇用でも形態は問いません、家がすでに農家でゆくゆくは継ぐつもりと言うのも大丈夫です。
*ただ、親元で研修や就農する場合は就農後5年以内に継ぐことまたは農業法人の共同経営者になる事が条件になります(後述します)
生活保護、失業手当、求職者支援制度等の国からすでに支援金を貰っている人は併用できません
もちろん、虚偽記載や報告等をすると給付金の全額返還や一部返還のペナルティがあります。(後述します)
農業次世代人材投資資金(準備型)について
準備型の制度について条件やリスクについてもう少し詳しく説明します
交付条件
独立、雇用、親元就農を目指している人である事
*親元就農を目指す人は就農開始5年以内に継ぐ、または農業法人の共同経営者になる事
研修先は県の認める研修先である事
研修先の研修計画が1200時間以上/年の内容である事
青年新規就農者ネットワークに加入する事(農林水産省の運営するネットワークです)
リスク
給付金一部返還
交付期間中と修了後に決められた研修報告をしなかったらペナルティが発生します
給付金全額返還
研修計画に沿った研修をしなかった若しくは研修に行かなかった
研修修了後一定期間内に就農しなかった
就農後5年以内に認定新規就農者に認定されなかった
ざっくり、上記3点のうち一つでも当てはまると貰った給付金を全額返金しないといけません。。。
正直、世の中そんなに甘く無いと言うことですね。農業研修して自分に合わないと思ってもタダでは許してもらえません。合わないと思ったらすぐに辞めてすぐに別の職を探しましょう
認定新規就農者については、農業の経営計画書がちゃんと書ける人ってイメージでいいと思います。これは研修中には絶対マスターしないといけないことだと思うので当たり前に進めれば問題無いかと
使い道
これはもう、生活費でいいと思います。
理想はリスクのことを考えて生活費は事前に準備しておいて、貰った給付金には手を付けずに就農スタート時の設備投資予算に充てるのがBESTかと思います。
農業次世代人材投資資金(経営開始型)について
経営開始型の制度について条件やリスクについてもう少し詳しく説明します
交付条件
自営就農していること
親元で就農する場合は経営の一部または一部を継承していること
5年後には生計が成り立つ計画が立てられていること
親元で就農する場合は経営の一部または一部を継承していること
5年後には生計が成り立つ計画が立てられていること
青年新規就農者ネットワークに加入する事(農林水産省の運営するネットワークです)
リスク
交付停止
前年の所得が350万円を超えた
就農を行っていない
就農内容の報告を行わなかった
市町村が行う中間評価で不適切と判断した
全額返還
虚偽の報告をした
経営開始型についてもペナルティが発生します。。。
こちらも当たり前に行動していれば問題無いと思います
ここでポイントなのは「前年の所得が350万円を超えたら交付停止」だと思います。もちろん計画段階でこの水準を狙って立案することになると思うので出来るだけ計画通りに実行して早く経営開始型の給付金制度からオサラバする流れになると思います。
むしろ5年間就農して350万円に達しないならもう辞めてしまえ!!って感じですよね。。
使い道
準備型と違い経営開始型の給付金は投資に回したいです
具体的には、農具や宣伝費、技術向上などへの自己投資も含まれると思います
年間150万円も投資に使える農家さんは限られていると思います。新規就農で手出し無しのこの金額で追加投資ができるのは相当なアドバンテージがあると思います。
お値段以上の価値
実は給付金と言う形でお金をもらう以上にこの制度には価値があります。
それは、企画計画立案、実行、報告、業務改善と言う「PDCAサイクル」が組み込まれていることだと思います。
もし一人で就農した場合、このPDCAを回す事を独学で進めて行かないといけません。ですが、この制度の中では行政の人の確認の元、計画の作り方や計画遂行のための作戦や経営拡大の方策などが漏れなく付いてきます。無料でコンサルタントが付いて来ると思えばすごいお得感がありませんか?
まとめ
人によって給付を受ける事のメリット・デメリットのある制度だと思います。
上手に使うことで効果を何倍にもできるのではないかなと思います。
準備型で2年間勉強する。勉強は栽培技術だけじゃなくて経営や人脈、様々な手法、ツールの使い方も含めて先を見据えた勉強が必要だと思います。何が必要でどうなりたいのかと言うビジョンを明確にして次のステップでスタートダッシュが切れるように準備しておくことが必要だと思います。
経営開始型は1年目で手探りながらも収入面の目標設定をしてそこへ向けた方策を試行錯誤します。2年目でどう言う風に経営拡大するかの方策を立案し実行していきます。ここで給付金停止の350万円の所得を目標にします。3年目はあくまでも予備です。4年目には確実に給付金とはオサラバします。
誰でも簡単に農業をはじめられるようになったこの制度。就農のハードルを下げると同時に就農への覚悟を鈍らせてしまう諸刃の剣。自分をしっかり持って「なりたい自分」をイメージし、この制度とうまく付き合った人だけが自立した農家さんになれるんだと思います。
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